外国人の視覚から見る韓国での知的財産権保護 –その理由と方法
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韓国知的財産権情報

外国人の視覚から見る韓国での知的財産権保護 –その理由と方法

投稿者
UNIS JP
投稿日
2016-08-02 14:29
閲覧数
1740
外国人の視覚から見る韓国での知的財産権保護 –その理由と方法


1.なぜ、韓国に知的財産権を登録しなければならないか

しばしば外国の企業が韓国でぶち当たる問題の一つが知的財産権に関連したイシューです。例えば、アメリカでは使用者を実質的に保護する先使用主義の「“first commercial use” or “first intent to usd”」を採択しているため、まずは自分の製品やサービスを早く発売することに注力することが効率的な戦略です。しかし、韓国では商標を先に出願する人に権利が与えられる先出願主義の国家であるため、手が早い第三者が商標権を取得することがよくあります。必ずしも不正な目的で商標を取得するのではないとしても、韓国では年間10万件の新規商標出願がなされており、先登録商標との類似性を根拠に商標登録を拒絶する割合が他国家よりも著しく高いため、本人の商標と先登録商標との摩擦が起こる可能性を予め知るためにも、商標出願を先に行うことは非常に重要です。商標を登録すれば、関連する紛争から逃れることができるため、結果的に多くの時間と費用、労力を節減でき、ある時は、事業の成敗を左右しもします。事実、多くの海外ブランドが韓国市場の進出に失敗する事例を見ますと、相対的に価格も高く、一般人が感じる可能性の違いも大きくない状況で商標権まで確保することができない海外ブランドは、韓国市場に進出すること自体が難しい可能性があります。


2.良い代理人が必要な理由

韓国では、外国人が直接、知的財産権の登録をすることはできず、必ず代理人(弁理士)を通して特許庁に登録しなければなりません。時には、弁理士の経験や能力によって特許や商標の権利範囲が大きく変わってくるため、代理人との出会いが大変重要です。知的財産権を専門にする法律事務所を選択する必要があり、英語で円滑にコミュニケーションができ、且つ海外の顧客からの依頼を受けた経験が多い代理人に出会うことがよいと言えます。費用は大部分の法律事務所の間で大きな違いはありませんが、規模の大きい一部事務所は費用が非常に高いことがあり、大企業を中心に依頼を受けるため、中小企業や個人は適切にケアされないことがあります。つまり、中小規模の外国企業や顧客が最も満足するサービスを受けるためには適切なサイズの規模、海外の案件に対して多様な経験があり、15年以上の経歴をもつ代理人、英語で円滑に相談が可能な事務所、費用は平均的なレベルを大きく外れない合理的な事務所が良いといえるでしょう。



上述した事項以外にも、現実のビジネス状況では知的財産権問題と関連してもっと多くの多様な問題が発生し得ます。重要なことは各社のビジネスの現実と状況に合う知的財産権の管理戦略をもつことが大切です。個人的には、消極的に防御のためより、積極的に権利行使が可能な体系的な知的財産権ポートフォリオを構築することをお勧めします。昨今、アジア市場は文化的に一つの巨大な単一市場に統合される過程にあり、韓国で成功するブランドは他のアジア市場でも成功する可能性が高いと言えます。事実、衣類や化粧品等一部の業種を見ますと、中国や東南アジアでは韓国ブランドは相当プレミアムを有しています。このような点も考慮しますと、韓国でまともに管理された知的財産権は、アジアでビジネスを成功的に拡張するための最も必要不可欠な核心的財産といえるでしょう。

(この記事はユニス特許法律事務所のIP AdvisiorであるThomau ST.John氏が作成しました)