韓国において早く特許登録する方法 ‐優先審査制度のご紹介‐
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韓国知的財産権情報

韓国において早く特許登録する方法 ‐優先審査制度のご紹介‐

投稿者
UNIS JP
投稿日
2016-07-18 14:39
閲覧数
2852
韓国において早く特許登録する方法

‐優先審査制度のご紹介‐

発明を早期に事業化するに当たっては、特許権をなるべく早く取得することが極めて重要です。
韓国における特許審査着手までの平均待機期間は現在のところ1年弱ですが、
この期間を大幅に短縮する制度が用意されているので、以下に紹介します。


1.1ヶ月で特許登録が可能な優先審査

韓国人の多くが気が短いということは広く知られており、IT大国になったことに、この性格も大きく寄与していると言う人達もいます。
優先審査制度は日本にもありますが、韓国の優先審査制度は実務運用上、他の国でも例を見ない程早い登録がなされており、
韓国で早く特許登録を受ける必要がある企業は注目する必要がある制度です。
例を挙げると、下記の特許は2015年1月6日に出願し、3週後の1月27日に登録されました。



2.優先審査の対象

優先審査の対象となることができる出願は大きく分けて以下の4つになります。

(1)出願公開後、他人が侵害をしている場合
出願が未登録の段階で他の人が自分の発明と同じ発明を実施している場合は、法的な救済が受けられないため、被害を受けることがあります。
したがって、このような場合は、早期登録により被害の拡大を避けるため、出願公開後であることを条件として、優先審査を受けることができます。

(2)特定分野に関連する出願、実施関連出願、特定の条件を満たす実用新案登録出願の場合
特定分野(省エネ、電子商取引、環境汚染防止等)の出願や、既に実施中又はその準備中である場合は優先審査の申請が可能です。
この場合、出願人が先行技術調査をして先行技術調査報告書と一緒に提出しなればならず、
実施を理由に優先審査の申請をする場合は明確な実施の証拠を一緒に提出しなければなりません。
また、実用新案の場合は、出願と同時に審査請求を行い、その出願後2ヶ月以内に優先審査の申請があれば、対象となります。

(3) 特許審査ハイウェイ(PPH)出願の場合
韓国とPPH協定を結んでいる国・地域(日本など)で出願が登録されたか、国際特許出願(PCT出願)をして
国際予備審査で新規性と進歩性があると判断された出願は優先審査対象となります。
これは日本の企業も最近多く利用している制度です。
下記の特許は2015年5月8日に出願され、同年6月1日に登録査定され6月30日付で登録されたものです。
この場合、先行技術調査報告書を別途提出する必要はありません。
ただし、韓国出願の特許請求範囲は、他国で登録されたことを理由にしたPPH申請の場合は他国で登録された特許請求範囲と、
PCT出願を元にしたPPH申請の場合はPCT出願の特許請求範囲と、それぞれ一致させなければなりません。

このルートを通じて優先審査を申請すれば、審査官が優先先行技術検索をします。
その結果が他国特許庁や国際予備審査機関の検索結果と一致すれば、
審査官は新規性や進歩性に対する判断をせず、すぐに登録査定します。
しかし、一致しないと独自的な判断で実質審査を行います。



(4)指定された先行技術調査専門機関に先行技術調査を依頼した場合
最後に、これは何の条件もなく特許庁長が指定した先行技術調査専門機関に先行技術調査の依頼さえすれば優先審査を申請することができます。
韓国の企業が優先審査を申請する場合の大部分がこのルートを通じたもので、
冒頭で紹介した防虫熱収縮フィルムもこのルートを通じて登録されたものです。
この場合、指定された専門機関に先行技術調査を申請する費用が7万円程度かかります。
日本でまだ登録されておらず、早く韓国の登録が必要である件があれば、このルートを利用するのが最適であると思います。
また、韓国の優先審査を利用した登録が迅速になされていれば、韓国でまず登録を受けてから、日本でPPHを申請する方法を考えてみることもできます。
もちろん、優先審査の申請をしたからと言って、全件が1ヶ月以内に登録されるわけではありません。
しかし、優先審査の申請をした場合、遅くても通常3ヶ月以内には最初の審査結果を受けることができます。