商標登録が難しい?不使用による商標登録取消審判をお考えになってはいかがでしょうか。
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韓国知的財産権情報

商標登録が難しい?不使用による商標登録取消審判をお考えになってはいかがでしょうか。

投稿者
UNIS JP
投稿日
2016-05-12 17:17
閲覧数
2040
商標出願をしてみると、他人の先登録商標の存在によって自分の商標が登録できない場合があります。

商標登録のために出願をして審査を受けてみると、最も多く出る拒絶理由がこの、同一もしくは類似した他人の先登録商標の存在です。実際に、韓国では毎年10万件以上の新規の商標が出願されているため、一般的に誰もが良い名前と思える名称の大部分はどのような形であれ、商標登録が既にされていることが多くあります。

だとすると、自分が使いたい名前が既に他人によって登録されていれば、どのような方法があるでしょうか。もちろん、他人の商標を譲渡してもらう方法をまず考えてみることができます。しかし、現実的には、商標権を売買する状況を経験してみるとわかりますが、譲受人と譲渡人がそれぞれ希望する金額に差が大きくあり、簡単に近づける方法ではありません。このような場合、様々な状況を考慮してみると、まずお勧めする方法として、不使用による商標登録取消審判を挙げることができます。不使用取消審判とは、簡単にいうと、登録日以降3年間使用していない商標を取消する審判のことです。

不使用取消審判

“「不使用による商標登録取消審判は商標権者、専用使用権者または通常使用権者のうち、何れの者も正当な理由なく登録商標をその指定商品に対して取消審判請求日以前に継続して3年以上国内で使用していない場合に請求する審判をいい、不使用商標を整理することにより登録主義の弊害を是正し、他人の商標選択の機会を拡大するために使用主義的な要素を加味したものです。”(韓国特許庁からの抜粋)

実務的な不使用取消審判をお勧めする理由はずばり!高い勝訴率にあります。

まず、統計庁に資料が集計されている2003年から2007年の不使用取消審判の関連資料を見ますと、2003年には983件が請求されて702件が取消、2004年には1,150件が請求されて817件が取消、2005年には1,243件が請求されて865件が取消、2006年には1,269件が請求されて866件が取消、2007年には1,418件が請求されて976件が取消されました。このうち、取消審判中に譲渡の形で合意がなされて取消となった件数まで考慮すれば、実質的な審判の成功率は70%以上とみることができます。私どもの案件でも、10件中8件以上は譲渡等、請求人が望む方向に結果が出ています。

事実、不使用取消審判の成功率が高い理由を逆に考えてみますと、使用する必要がある商標のみを登録するのではなく、良い名前という理由から販売目的に保有したり、様々な理由でただ単に独占権を先占しようと登録しておく商標が多数存在する現実にもその原因があります。

また、過去、商標登録時に指定商品が10個を超える場合は追加費用が発生する構造から、同じ分類に含まれていれば指定商品を制限なしに選択しても追加費用が発生しないように制度が変更されたことで(2012年4月からは再び、20個を超える指定商品に対して追加費用を課する構造に変更しました)、実際の使用範囲を超え、指定商品が広範囲に拡大された商標が多数登録され、これに対し、後から商標を使用しようとする他の人の選択権を侵害する結果が生じてしまいました。このように、実際使用するものより権利範囲が広く登録された商標は、一部の指定商品に対しては使用しているとしても、使用していない指定商品に対しては不使用取消審判の対象になります。

不使用取消審判を進めるためには、どのような点を考慮しなければならないでしょうか。何よりも先登録商標の取消対象指定商品の範囲をうまく見極めることが重要です。仮に、登録された指定商品のうちの一部を取り消したとしても、類似した指定商品が変わらず残っていれば、自分の商標を出願する際、そのまま先登録商標の存在によって登録が難しくなります。かと言って、多すぎる指定商品を一遍に取り消そうとすれば、商標権者はそのうち一つの指定商品の使用事実だけを証明しても全ての指定商品の登録取消を免れることができるため、予め事前調査を通じて適切な範囲を上手に調整することが大変重要です。

これ以外にも、審判請求時に考慮する点がいくつかありますが、それぞれの状況によって差し上げられる助言が変わってきます。重要な点は他人の先登録商標があったとしても諦めず、いろいろな代案を必ず専門家と相談してみることです。