韓国特許法の一部改正について(2021年10月19日公布、2022年4月20日施行)
この度、韓国における特許法の一部改正案が2021年10月19日に公布され、2022年4月20日から施行の予定となります。
主な改正内容について、以下の通りご案内申し上げます。
1.出願人の権利回復要件の緩和
方式違反による手続無効(特許法第16条)、審査請求および再審査請求期間の徒過(第67条の3)、特許料(登録料)未納(第81条の3)、の回復要件が、現行法の「責任を負うことができない事由」 から「正当な事由」に緩和されます。「正当な事由」の例としては、持病による入院、手数料口座振替のエラー、新型コロナウイルスの感染による入院などが挙げられます。
2.分割出願の優先権主張の自動認定(特許法第52条第4項の新設)
原出願で優先権主張が適法に行われた場合、分割出願では優先権主張手続をしなくとも、自動で、優先権を適法に行ったものとみなし、原出願に対して第54条第4項により提出された書類又は書面がある場合には、分割出願に対しても該当書類又は書面が提出されたものとみなされることとなります。
3.再審査請求後の分離出願制度を新設 (特許法第52条の2の新設)
拒絶査定に対する不服審判請求(再審査請求)についての棄却審決(拒絶査定を維持)を受けた後、審決の謄本の送達を受けた日から30日以内に拒絶されなかった請求項のみを分離して出願することが可能となります。
4.拒絶決定などに対する審判請求(再審査請求)期間の延長および対象拡大(特許法第67条の2第1項の改正)
期間延長をせずとも出願人に十分な準備期間を提供し、費用をかけてまで期間延長が行われている現状を改善するため、拒絶査定などに対する審判請求(再審査請求)の期間が30日から3カ月になります。また、特許査定後にも補正ができるようにするため、特許査定された件についても、特許査定から設定登録を受ける前までの期間に再審査の請求が可能となります。
以上、2022年4月20日より施行される韓国特許法の一部改正について、ご案内いたしました。