著作権に関連する様々な事例と不正競争防止法
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韓国知的財産権情報

著作権に関連する様々な事例と不正競争防止法

投稿者
UNIS JP
投稿日
2017-04-24 13:47
閲覧数
1023
商標や特許以外にも企業や個人の創作物保護のための有用な方法である著作権登録についてご案内いたします。

著作権は、人間の思想、感情を表現した創作物に対して法律によって創作者に一定期間、その創作物を独占的に使用できるようにし、他人によって無断で複製、公演、配布などの行為がなされることを禁止できる権利です。 具体的に絵画、図形、言語、小説、放送台本、音楽、公演、建築物、写真やコンピュータプログラムなどがあります。実務的に特許や商標登録が不可能な場合に著作権登録をお勧めすることがあります。

著作権は著作物を創作した時点で発生しますが、登録すれば、法律事実の公示ができ、また移転した場合の取引の安全の確保ができるます。韓国特許庁が発信するブログの記事の一部を以下にご紹介しますので、具体的な権利の保護例をご参照ください。 http://blog.naver.com/kipoworld2/220941519415

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特許庁主催の2016年11月開催のデザイン保護フォーラムで紹介された内容の中で著作権に関連する様々な事例と不正競争防止法を何件かご紹介いたします。

■ 著作権の対象と権利範囲

まず、著作権の対象と権利範囲について知ることができる事例について説明します。下の写真はイギリスの写真作家マイケル・ケンナ氏の作品(左)と大韓航空の広告に使われたサムチョクにあるソル島の写真です。大韓航空は広告にケンナ氏の写真を使用するため、価格交渉をしましたが、作家側が要求した金額に応じられず交渉成立に至りませんでした。その後、大韓航空は国内の写真作家に依頼してソル島の写真を撮影しました。右側の写真がそれです。果たして右側の写真は著作権を侵害したのでしょうか?裁判所では著作権侵害はないと判決を下しました。裁判部は“撮影対象が自然物であるという特性を考慮すると、その被写体の選定には創作性を要求しない”とし、“構図と、カメラの角度設定は、創作性がない、または創作性が弱く、特にケンナが選んだ撮影場所が独創的な努力によって発見した場所と言えない”と判断しました。続けて、“全体を対比して見ても、ケンナの写真は水墨画のような静的な印象を与え、大韓航空の広告に使用された写真は日の出の躍動的な感じを与える”、“このような差があるため、実質的類似性もない”と判断を下しました。
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マイケル・ケンナが撮影したソル島の写真(左)と大韓航空の広告の中のソル島の写真(右)

上記事例のように、著作権の権利範囲が狭いと、果たして創作者はどのように権利の保護を受けられるかが疑問になりますね。下記の事例はこうした疑問に少し明確な方向を提示しています。
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キング社のファームヒーロー サガ                         アボカド社のフォレストマニア

イギリスのゲーム会社キングが韓国のゲーム開発会社アボカドエンターテインメントを著作権侵害で告訴した事件があります。問題になったゲームはキング社の“ファームヒーロー”とアボカド社の“フォレストマニア”です。“フォレストマニア”のキャラクターやユーザーインタフェース、マップ、特殊効果などにおいて、キング社の“ファームヒーロー”と類似性があると主張したものです。
実際、両ゲームのいくつかの独特な表現要素はかなり類似していると感じます。しかし、これは著作権侵害ではないと判断されました。裁判部は、キング社が主張した色々な類似性は既存の多くのゲームでよく見られる要素で、キャラクターの形状は両者間に相違があると判断しました。この事例を通じて、著作権が侵害されたと判断されるためには、対象間の形態自体がほとんど同一でなければならないということを知ることができます。

下記の事件は、韓国の有名なケーキメーカーが海外の画像を引用した事例で、下記の画像から類似した点を見出すことができます。ケーキメーカーは原作が海外の作品なので著作権に大きな問題はないと考え、画像を借用しました。しかし、これはケーキメーカーが原作者の同意なく画像を借用したもので、原作者固有の創作性を侵害した行為であり、SNSを通じてこの事実が原作者をはじめ、多くの人たちに知られ、結局、ケーキメーカーは謝罪文を掲載することになりました。
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画像出処:作家 ジム・フィールド(@_JimField)ツイッター

このように対象が原作と全く同じと言えるほど類似する場合にのみ著作権侵害と認められることができます。

また、デザイン権は登録日から20年保護されますが、著作権は死後70年保護されるという点で、両者に違いがあります。つまり、創作物で得られる所得の規模が大きく異なるということです。例えば、“星の王子様”は色々な出版社で発行された多様なバージョンの作品を見ることができるのに対して、“ナルニア国ものがたり”などの作品は、たった一つの出版社で出版されています。まだ著作権が生きているからです。では、世界で最も多くの著作権を持っている会社はどこでしょうか。皆さん、おわかりのとおり“ディズニー”です。

ここで、著作権に比べて期間の短いデザイン権を20年間保護する方法についてお知らせいたします。
本来、デザイン権は公開前、つまり公募展、展示会、インターネットなどでオープンする前に出願するのが原則です。しかし、現実は展示会、もしくは公募展の前日または当日ぎりぎりに行われることがほとんどです。それゆえ、法的保全策が設けられています。

出願の際、先に公開した証明をもって6ヶ月以内に出願すれば、正常な出願ができます。(しかし、公開日から権利が発生するのではなく出願日を基準に権利が発生します。)

■ デザイナーの資質 = デザイン能力 + 権利保護の活用方法を知ること
ここでは著作権の保護を受けることができた事例について説明いたします。

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COOL ENOUGH STUDIO製品(左)とDr.Jart+の販促品に使用した製品(右) 出典 http://www.coolenoughstudio.kr

デザイン会社のCOOL ENOUGH STUDIOは、化粧品ブランドのDr.Jart+の販促品を製造したエルポートが、デザインを盗用したと主張しました。これに対し、エルポートはうさぎの耳型のアクセサリー類は市場に多く存在しており、こうしたデザインは特定の業者が独占できないと反論しました。しかし、エルポートの供述とは異なり、COOL ENOUGH STUDIOの製品は一般的且つ単純なうさぎの耳型ではなく、両端が交差することで、うさぎの耳の形を形成する構造となっていました。このような独創性を裁判所は認め、COOL ENOUGH STUDIOに軍配が上がりました。このように、デザイン権の保護範囲を正確に知っていることで自分の権利を保護することができます。

■ 不正競争防止法第2条第1号に着目
最後に不正競争行為について説明します。
上記で法的に保護されないデザインについて説明しました。インテリアデザイン、独特ではないデザイン等もそれに当ります。しかし、もしある人がインテリアデザインに相当な時間と努力を投資して独自のものを創作したのに、他人がそのデザインを無断で使用としたとすれば、どうしたらいいでしょうか。事例を通じて見て行きましょう。

左側の写真の製品はRIMOWA社の旅行用キャリーです。RIMOWAは認知度のあるブランドと認められており、特有の縦縞模様が象徴となっています。しかし、縦縞そのものは事実、デザイン保護法上、保護される独特なデザインではありません。そこで、ある人が左の写真のようなRIMOWAのキャリー風のスマートフォンケースを製作、販売しました。
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RIMOWA社の旅行用キャリー(左)とその特徴を借用したスマートフォンケース(右)

RIMOWA社は自社のデザインの独自性を使用して右側の製品のようにスマートフォンケースを製作でき、希望する事業者に対しデザインを販売して収益を上げることができました。しかし、RIMOWA社ではない第三者がRIMOWA社のシグネチャデザインを借用して収益を得ていました。このような行為を不正競争行為と言います。不正競争行為関連の判決を待機中の事例があるので紹介します。

SOFTREE                        MILKCOW
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画像出所:http://mnb.moneys.news

SOFTREEとMILKCOW の事例です。SOFTREEは既存のアイスクリームと比較すると、いくつかの特異点があります。アイスクリームの上に蜂の巣を乗せた点、インテリア要素としてコーンを木のように挿して装飾した点、アメリカの西部時代を思わせる看板の作り、ユーロのように価格を30.0などと表記した点などがあります。これらの特徴を模倣してMILKCOWは事業を始めました。これを知ったSOFTREEは権利を侵害されたと2014年4月不正競争行為禁止申立訴訟を提起しました。事実、SOFTREEの特徴はデザイン保護法上では保護が難しいものです。同一で大量生産が可能な形状(物品性)ではなく、形態自体が既存のものと差別化できるアイテムでもないからです。しかし、このような形状を模倣する行為に関しては、デザイン保護法で保護が難しいとしても、独創的な形状やイメージ、または需要者に明確に認識された相違点があれば、不正競争防止法を通じて権利が保護されます。この法は、今も確立されている最中で、この法に保護されるためには個人が運営する店や販売する製品の独創性を維持することが重要なものです。

上記事例は2016年10月27日に大法院で判決が出ました。裁判部は“商品の形態に関して不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律第2条第1号による保護対象である商品の形態を備えているとしようとすれば、需要者がその商品の外観自体で特定の商品であることを認識できる形態的特異性があるだけでなく、定型化されたものでなければならない”とし、“社会通念から見れば、その商品に一環した定型性がなければ、例え商品の形態を構成するアイデアや着想または特徴的な形や機能等の同一性があるとしてもこれを商品の形態を模倣した不正競争行為の保護対象に該当すると言えない”と判示しました。

この裁判結果は事実上、業界の後発走者であるMILKCOWに軍配が上がったケースで、製品の組合せの方式または販売方針に関するアイデアは不正競争防止法の保護対象ではないと判断したと言えます。
大法院は“上告理由等法理検討”、“争点に関する裁判部の論議”等、深思熟考し、料飲業に従事する零細業者や商工業者の類似性品販売を保護し、単純な製品の組合せで販売製品を独占しようとする行為を防いだというわけです。

■ 最低限の努力
ここまで見てきたデザイン法の体系は、短い時間で理解するには膨大な内容です。こんなとき、デザイナーができる行動は何でしょうか?まず最初は、模倣を防止するために早く出願をすることであり、二番目に、自分のデザイン権や著作権を自分で出願することだと言えます。但し、紛争及び難しい案件は弁理士の力を借りる方法もあります。三番目は、個人のデザイナーがよく見落とす部分ですが、契約時の内容を証拠化せず、有線等を通じて契約を勧めるということです。しかし、これによって自身の権利が侵害されたり、契約が問題になったときに適切な対処ができずに権利を奪われることが生じるため、必ず、E-MAILや文字メッセージ等、証拠として残る手段を通じて契約を行わなければならないということです。